暇の時間

生成生まれの独身会社員。幸せになりたい、そんな日々をだらだら書く。

階段の踊り場、屋上階はない。

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

 

この日だってすぐに思いあたる日がないのですが、人生を振り返ってみると、強いて言うならば、大学受験かなと。

 

当時、志望校について、その大学で特に学びたいことがあったわけでもなく、特に思い入れはなかったけれど、なんとなくで行きたい大学があった。地元から遠く離れた都会に出てみたいとか、有名な大学だとか、そんなしょうもない理由で。

 

それがだんだん受験が近づきにつれて、
受験に受かったら、先生や親に褒めてもらえるかなとか、友人に尊敬してもらえるかなとか、有名大学でその後の人生が安泰になるかなとか、そんなことでモチベーションが上がっていった。今思い返してみるとしょうもないことですけど。
模試では模試ではCとかD判定だったけど、最後は意地みたいな感じで志望校は変えなかった。

当時の理系の担当の先生が、生物の先生で、受験生のためにってことで、生物教室を自習スペースみたいに開放してくれました。
そこで4,5人で集まって、教え合いながら、競いながら問題を解いたのはいい思い出。もしかしたら合格発表の日と同じくらい思いで深いかも。自分は物理・化学選択で、生物をとっていなかったけれど、不思議なことに高校の中で一番の思いでの場所が生物室。当時の自分にとってはしんどかったのだろうけど、今となってはあの時間に戻りたいなとも思う。

 

大学が地元から遠いということもあって、ネットでの合格発表。

発表直後はアクセスが集中して、なかなか入れない。何度も更新ボタンを押した。早く結果が見たいような、見たくないような、そんな気持ちで。
やっと入れた発表ページで、恐る恐る番号を探していき、自分の番号を見つけたときは、うれしさと安堵感からしばらくそこから動けなかった。

 

でも、合格してしまえば、次は合格手続きとか、引っ越しとか、面倒なことばかり。喜びは意外にも長くは続かなかった。まして大学に行ってからは、大学の勉強やバイトのことで精一杯で、合格したんだという喜びは、今の今まで忘れていた。

今となっては、一応のところ、記憶にはあるけれど、喜びは1ミリもない。今の生活、仕事に精一杯。

 

大学合格という目標に向かって駆け上がってきたけれど、
その努力は、合格発表の日に集約されて、また次の目標に向かって、走らされる。
そうやって、あの合格発表の日からも、しんどい日々を重ねてきたし、これからも。

きっと、記憶に残る小さな光に向かって、走り続けなければならないのだろうな。