暇の時間

生成生まれの独身会社員。幸せになりたい、そんな日々をだらだら書く。

財布をなくした話

あれ⁈ ない

休日の時間をカフェで潰すため、ショッピングモールへ出かける。
いつものように、カフェに入り、一番安いブレンドコーヒーを頼む。コーヒーを飲みながら、パソコンで作業を始めた。

1時間ほどたって、コーヒーが冷めた頃、今の作業にも飽きてきたので、家計簿でもつけようかなと思ったその時、気がついた。

財布がない!!

車に忘れてきたのかな。

カフェのお代はスマホ決済だったから気づかなかった。
スマホで決済できるなんて便利になったけど、財布を忘れたことにに気づけないデメリットもあるのかあ。いや、後払いの店だったら、食い逃げになっているぞ。

そんなしょうもないことを考えている場合ではない。
さてどうしようか。
高いコーヒー代を払って、1時間しか過ごせないことは惜しい。
惜しい、が仕方がない。
財布をなくした可能性もある。コーヒー代分をカフェで過ごせなかった損よりも、財布を良からぬ人に拾われる方が、損だからだ。

惜しみながらも、いそいそと車に戻ってみる。
が、車の中に財布はない。
忘れたのではなく、なくしたのだと気づく。

 

財布捜索

財布には、キャッシュカードも、クレジットカードも、免許証も入っている。なくしたとなれば、カード会社を止めたり、いろいろと面倒だ。なんとしても見つけ出したい。

今日1日を振りかってみる。
朝起きて、車に乗って、このショッピングモールに来た。我ながらなんとつまらない休日か。

ふと思い出す。カフェに入る前に、トイレに行った。
そうだ、トイレだ!

便座に座る前に、ズボンのポケットに入っていた財布を、ちょっとした棚に置いて、そのまま置きっぱなしだ!

急いで、トイレに向かう。(もれそうな訳ではない。)

しかし、そこにはなかった。当然だ。もう1時間もたっているのだから。

もしかしたらいい人が届けてくれているかも。藁にもすがるような思いで、カスタマーセンターに向かい、スタッフに声をかける。

「財布届いていませんか?」

スタッフは無表情で、返答する。

 「どのような財布でしょうか?」

そこで、すこし私は安心をする。おそらく届いていなかったら、届いていませんというだろうからだ。

「茶色の長財布です。」

スタッフは少し困ったような表情で、答える。

「茶色、ですか?」

私は気づく。今、試されているのだ。その持ち主なのか。
私の返答いかんによっては、返してもらえない。より慎重に答える。

「黒っぽい色の長財布です。」

良かった。正解のようだ。次の質問に進む。

「その中に何か身分を証明できるものは入っていましたか?」

免許証を財布に入れておいて良かった。

「免許証が入っています。」

その後、免許証に記載の名前、生年月日と住所の出題に正解し、自分の財布を取り戻すことに成功した。

 

忘れ物はありませんか

財布をなくす他人の話を聞きながら、自分は大丈夫だという、謎の自信があった。しかしそうではなかった。たまたまうまくいっていただけだ。
忘れ物をしないように気をつけないと(ウォレットチェーンをつけるとか?)。
忘れ物がないか、振り返ってみるようにしないと。

 

自分は今、忘れ物をしてないであろうか。
カフェでの1時間のように、気づいていないだけではないだろうか。
これまでの人生、振り返ってみると、忘れてきたものばかり。もっとこうしておけば良かったって。財布は戻ってきたけど、時間は戻ってこない。

忘れ物に気づいて、後悔しないようにしたものだ。